研究内容

本学では、2008年度から2014年度にNEDOのHi-PerFCプロジェクト(※1)を受託し、2015年度から2019年度にNEDOのSPer-FCプロジェクト(※2)を受託し、燃料電池の高出力化、高耐久化、高効率化に資する触媒や電解質材料およびそれらの性能を極限まで発揮させる触媒層の研究に取り組み、世界でも注目される多くの成果を挙げてまいりました。

この度、新たにNEDOからECCEED’30-FCプロジェクト(※3) ECCEED’40-FCプロジェクト(※4)を受託しました。2020年度からこれまでの成果を活かしながら新たな発想を取り入れることにより、NEDO技術マップ等で定められるシナリオに基づき、高効率、高耐久、低コストの燃料電池システムを実現するための技術を開発します。

※1 Hi-PerFCプロジェクト:
NEDO固体高分子形燃料電池実用化技術開発事業
「劣化機構とナノテクノロジーを融合した高性能セルのための基礎的材料開発」
※2 SPer-FCプロジェクト:
NEDO固体高分子形燃料電池実用化技術開発事業
「セル・スタックに関わる材料コンセプトの創出/高出力・高耐久・高性能燃料電池材料のコンセプト創出」
※3 ECCEED’30-FCプロジェクト
NEDO燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業「高効率・高出力・高耐久PEFCを実現する革新的材料の研究開発事業」
※4 ECCEED’40-FCプロジェクト
NEDO燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業「広温湿度作動PEFCを実現する先端的材料コンセプトの創出」

ECCEED’30-FCプロジェクト

NEDO事業 「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業/研究開発項目I 共通課題解決型基盤技術開発/高効率・高出力・高耐久PEFCを実現する革新的材料の研究開発事業」では高効率発電および高負荷運転さらには、高耐久起動停止等技術や極限環境下劣化防止等の技術を実現する革新的材料技術開発を行います。この事業は2030年以降の自動車や家庭用PEFCへの実装を目指す位置付けです。

ECCEED’30-FCプロジェクト

ECCEED’40-FCプロジェクト

NEDO事業 「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業/研究開発項目Ⅱ 水素利用等高度化先端技術開発/広温湿度作動PEFCを実現する先端的材料コンセプトの創出」では高温度・低湿度環境下でも作動可能な新規の高分子電解質膜コンセプトおよびセラミック触媒技術のコンセプトの創出を図ります。この事業は2030年以降の更なる燃料電池システムの低コスト、高性能、高耐久に資する技術開発に取り組み、技術成立性を提示するとともに2040年頃の実装に向けた課題を明らにする位置づけです。

研究開発体制

プロジェクトマネージャーの下、山梨大学を中心として、パナソニック、田中貴金属工業、日本化学産業、日産アーク、東北大学、大阪大学、東レリサーチセンター、日揮ユニバーサル、東京理科大学、リガク等が共同して研究を進めています。