研究内容

本センターは、2008年4月からNEDO受託研究HiPer-FC(High Performance Fuel Cell)プロジェクトにより、固体高分子形燃料電池の高性能・高信頼・低コスト化を達成する新材料の研究開発を推進してきました。

この研究活動から、電位変動に対して極めて高い安定性を示す「安定化Ptスキン-合金触媒」や「連珠状導電性セラミック担体」、またフッ素系電解質膜を凌賀する耐久性と同等の膜抵抗を示す「炭化水素系電解質材料」など優れた材料や多くの学術的知見を創出してきました。

この成果を来たるべき燃料電池自動車の大規模普及に適用するため、NEDO委託事業として2015年5月から本センターを中心に新たな“S”Per-FC(Superlative, Stable, and Scalable Performance Fuel Cell)プロジェクトを発足しました。本プロジェクトでは、関連学理、先端機器を駆使して、電極触媒、電解質材料、及びそれらの機能を極限まで発揮させる触媒層の評価・解析を通してその有用性を検証し、高出力・高耐久・高効率材料としての新コンセプトを創出します。これら新コンセプトの産業界展開により、貴金属使用量を一桁低減した低価格乗用車や耐久性を十倍に高めた商用車の実現に貢献します。

研究開発項目

1. カソード触媒材料の新規コンセプト創出
カソード触媒の活性・耐久性を飛躍的に向上するための新たなコンセプトを、安定化Ptスキン-合金触媒、カーボン担体、導電性セラミック担体、更にはそれらの界面の微細構造や表面電子状態等の解析を通じて明らかにする。得られたコンセプトは、カーボン担体系/セラミック担体系カソード触媒、MEA構成により検証する。
2. 電解質材料の新規コンセプト創出
炭化水素系電解質膜・バインダーの分子構造や高次構造、モルフォルジー、水分子の存在状態/挙動等の評価・解析を通じて、広温度・湿度範囲の燃料電池作動条件下でも耐久性と高性能化を両立する電解質材料の新規コンセプトを確立する。
3. 純物高耐性次世代アノード触媒のコンセプト創出
低白金で高ロバスト化・高耐久化を可能にするアノード触媒の設計指針をMEAでの検証を経て確立する。

研究目標

自動車用燃料電池として2025年度(平成37年度)以降の大量普及期の実用化を見据え、2019年度(平成31年度)末において、出力密度×耐久時間/(単位出力あたりの貴金属使用量)として現行の10倍以上を実現するための要素技術を確立する。

研究開発体制

プロジェクトマネージャーの下に、山梨大学を中心として、田中貴金属(株)、(株)カネカ、パナソニック(株)、(株)日産アーク、(株)東レリサーチセンター、岩手大学、信州大学、東北大学が共同して研究を進めています。

SPer-FCプロジェクト